痛みしか見えないから

今年はお正月早々子どもを産んだ。
とても得がたい経験だったけれども
今更妊娠生活の覚書を書く気は起きないし、
ここにこれから長く続く育児の記録を綴る気もない。
けれど出産の時にとても印象深い言葉があったのでそれを残しておく。


それは…私が陣痛促進剤を点滴されて苦しんでいる時。
痛かった。
痛くて目をつぶって必死で息を吐いていた。
それを見た助産師さんが
「目開けて!目をつぶってると痛みしか見えなくなるから!!」
それは私の耳に非常にクリアに届いた。
えっそう?ってな感じで私は目を、多分、見開いた。


ナースコールのボタンがあった。
点滴のチューブ。
テーブル。
時計。
窓。
そして痛い。いたいいたい。


確かに痛みも見える、という状況にはなったけど目をつぶっちゃダメかあと、
何故かあきらめ感を抱いたのでした。


その1時間後くらいに息子の雄姿を目にした。


これからは足の小指をドアに挟んでも、
カッと目を開いて廊下のホコリでも拾ってやるぜと決意を新たにしている。