汝、ファンタジスタちゃん

宮部みゆきさんの『英雄の書』を読んだ。
私はこの方の本をたぶんほとんど読んでいると思うけど、
これについてはうーんふーんって感じだった。
なんでこんなにファンタジーなのだろう。


ファンタジー、好きです。
その定義はどうあれ、これについても一通りの
いわゆるファンタジーをくぐっている中で一番は
小野不由美さんの「十二国記」シリーズです。
脱線するけれども、私がぼーっとしている間に「十二国記」が再開するとな!
あまりに驚いて再読しちゃったよ・・・。
これを読んでいると誠実に生きるとはどういうことかを考えさせられ、
適当に不誠実な私は登場人物達の振る舞いにすごく打たれます。
打たれ続けて15年。
設定もとても面白いのでぜひ読んで見てください、とどなたかに言ってみる。


そして『英雄の書』ですが、
普通の女の子が事件に(これがとても重たい)巻き込まれて、
使命を背負うことになり、
物語の中に入り込んで冒険したり戦ったりして、
実はこれが真実だった!という
とても読みやすく面白いモノガタリなのですね。
でもこの題材を描くのに、こんなにとってつけたような
ありふれた風じゃなくてもいいのに、
と読んでいる間ずっと感じていました。
私、ファンタジーに散見される
その必然性がわからないのに文語調でしゃべるやり方にすごく疑問を抱くのです。
何で今その言葉遣い!?と違和感を覚えてお話に入っていけない。
(すんなりいけるのもあるのですが)
こういう異世界に行くパターンのお話でよくあるのが
「汝」と呼びかけられること。
何でかなあ・・・
大いなる存在を表したいから?
畏怖を与えたいから?
異界っぽいから?
『英雄の書』は重たいテーマの割にゲームみたいで
なんか軽い「なんじもの」だったな。


いやあ、まさか「十二国記」が新潮文庫から出直すなんて。


英雄の書 (カッパ・ノベルス)


月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)