すぐ終わってもったいないのが美点

北村薫さんの本で最初に読んだのはありきたりに
円紫さんシリーズだ。
すごくきれいな文章だと思った。読みやすいのはもちろん、
何というか文章自体が春はあけぼの〜みたいに素敵だ。
と、微妙な喩えだがまあいいや。
その北村さんの短編集『1950年のバックトス』を読んだ。
こんな大御所の方に失礼なのですが、
すっごくいい新人作家を発掘したような気分になった。
(2007年刊行の本を今更本当に失礼だ)
きっと短編が上手い人に最近巡り会っていないからだろう。
長編が面白くても短編が面白いとは限らない。
どうしても話が長くなる校長先生タイプだ。
そういうのを読むと起承転結があればいいってわけじゃないのねと
考えさせられる。
この本は久々に短編ヒットでした。
恐い優しい不思議普通を数ページで、
しかも春はあけぼのの文章で語ってくれる。嬉しいですな。


時と人3部作は『スキップ』以外はピンとこなかったけど
ベッキーさんシリーズはよかった。。。


1950年のバックトス (新潮文庫)